木材産業を成長産業へ! 第1回

人手不足対策、地域の空き家問題対策、リフォーム事業拡大

 

・はじめに

 初めまして。このたび日本木青連の広報委員会アドバイザーを拝命させて頂きました宮本と申します。私は日本の素晴らしい「地方」を元気にしたいと思い、2012年3月末で25年間勤めた株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)を退職し、いったん、出身地の岐阜県岐阜市の実家に帰りました。

 その翌年から岐阜県飛騨市で林業をしていた弟と合流し、2014年からは会社を設立し、林業を始めました。2018年からはリクルート時代にベンチャーキャピタル2社の代表をさせて頂いた経験を活かして「地方に有用な技術やノウハウを保有する企業を支援する」事業を行っております。

 この7年間ご支援させて頂いた企業やリサーチした研究結果に関して有用な情報を「お役立ち情報」として、皆様にご紹介させて頂きたいと考えております。

 

・中堅中小企業最大の問題:人手不足問題

 私の住んでいる岐阜県北部の飛騨地方は「飛騨高山」「下呂温泉」「世界遺産合掌造りの白川郷」「君の名は。というアニメの聖地になった飛騨市」などの観光資源に恵まれており、新型コロナウイルス感染が落ち着いた頃から宿泊施設も飲食店も活況を呈しております。

 ところが、極めて深刻な人手不足により、設備稼働率が60%程度までしか上げられず、大きなビジネス機会を逸してしまっている状況です。また、病院の看護士不足、介護施設の介護士不足もかなり深刻だと聞いています。地元の森林組合も「2年間求人広告を出し続けたが、1件の問合せ電話さえ無い。」とのことで事業存続の危機です。

 岐阜県南部の美濃地方は関市の刃物産業や各務原市の航空自衛隊基地、川崎重工に関係する航空、防衛関連の製造業、お隣の愛知県の自動車産業の工場、など製造業が盛んですが、こちらも人手不足で製造ラインの一部を停止せざるを得ない、という状況まで追い込まれている企業がたくさんあると聞いています。

 日本は失われた35年と言われていますが、過去35年間、日本の大企業は採用人数を減らしていません。日本全体としては少子化が進展していますから中堅中小企業が採用できる人数は減ってきているのです。

 

・加速する人手不足問題

 この日本の人口推移を見てもわかるように今後5年で300~400万人の労働人口(15~64歳人口)が減少していきます。これは日本の都道府県人口ランキングで10位の静岡県(人口約350万人)が5年毎に1つずつ消滅しているのと同じインパクトを持ちます。

 「今年の採用は大変苦労した、来年は頑張ろう!」では問題は解決しません。むしろ、年々厳しさを増すばかりです。日本の構造的な問題なのです。

 

・地域の空き家問題

地域では空き家問題が深刻になってきています。私のすぐ近くにも空き家があり、朽ち果て、倒壊寸前の危険な空き家があります。

 日本全体でも空き家は増加してきており、2018年に1000万戸を越え、2033年には2100万戸を突破しそうな勢いです。

 私の住んでいる地域でも大きな問題となっており地方自治体の大きな負担になってきています。空き家の所有者の特定、特定ができても連絡先がわからない、連絡先がわかって連絡しても空き家対策を実施しない空き家所有者の存在、・・・と負担感が増しています。

・フューチャーデザインラボ社

 日本の将来の人手不足問題を予測し、2007年に設立されました。主にアジア各国のTOP大学と連携している日本語学校とパートナー契約を結び、日本語の話せる人材を日本企業や公共団体へ紹介しています。

 海外人材を採用すると一番問題になるのが日本語です。この企業は、採用面接までに日本語検定3級以上まで習得している人材を紹介します。着任までに2級、着任後は1級をめざす、という日本語教育サービスも行っています。

 香川県に日本語学校を設置し、着任した海外人材の日本語教育や勤務先や生活面で困っている事が無いかフォローすることで人材定着率を高めているサービスもしています。(既に海外人材を採用した企業にもこのサービスは提供可能です)

 

・海外人材のブルーオーシャン:モンゴル人材

 海外人材採用といえば主流は中国やインドなどの人口が多く、高度教育人材も豊富な国の人材採用が主流です。しかしながら、これらの国の経済成長により、所得は増え、日本以外にも豊富な人的なネットワークや選択肢がある為、なかなか日本に定着してもらえないという課題があります。

 そんな中で極めて親日国(先日も令和7年7月6~13日に天皇皇后両陛下がモンゴル訪問されています)、定着率が高い(冬季はマイナス40℃にもなる厳しい気候、石炭ストーブが主流で家庭内の空気が悪い、・・・などの理由で日本に定住したいという希望者が多い)、教育水準が高い(日式高専:日本の高専と全く同じ学科構成、カリキュラム、毎年定年した高専の先生がモンゴルの日式高専に着任、大学も人口の割には数が多く、高度教育人材は決して少なくない)のがモンゴルです。

 フューチャーデザインラボ社はモンゴルにも日本語学校を設立し、モンゴルの各大学、日式高専と提携し、高度人材、技術人材を日本企業に重点的に紹介しています。

 また、代表はモンゴルの最高学府のモンゴル国立大学の理事長のアドバイザーにも就任しています。

 

・熱海観光協会:人手不足、空き家問題解決+住宅リフォーム事業の拡大

 日本有数の観光地である熱海でも人手不足は深刻でしたが、フューチャーデザインラボ社との提携により毎年20~30名の外国人材を受け入れることで人手不足問題に対して一定の解決策を見出しました。

 また、海外人材を受け入れる為に空き家を確保→シェアハウスにリフォームして受入、高度人材であれば日本滞在期間制限はありませんし、家族を呼び寄せることも可能ですので、ファミリー用に空き家を改修する、なども見込めます。

 こうした動きにより観光施設は人手不足問題を、地方自治体は空き家を解決でき、地元工務店は住宅リフォームの仕事が増えました。

 

・工務店の代理店契約

 現在、私はこの海外人材紹介と人材定着サービスを行っているフューチャーデザインラボ社に多くの企業を紹介しています。また、熱海の成功事例から日本全国の工務店に声をかけてフューチャーデザインラボ社の代理店になって頂くようお願いして回っています。

 代理店といっても紹介のみでクロージングはフューチャーデザインラボ社が行いますので手離れも良いです。

 

・企業、団体の皆様へ

①人手不足で困っている企業、団体様

 このフューチャーデザインラボ社のサービスは完全成果報酬型ですので採用に至らなければ費用は一切かかりません。一度オンライン面接会に参加してみては如何でしょうか?

②「人手不足でお困りの企業、団体様」にこのサービスを紹介したいと思われる企業様

 一度、自社でも海外人材の受け入れをしてみて下さい。それで全体の流れのイメージや採用のメリットを感じてみて下さい。

 

 私の知人の製造業の工場を経営している企業では暗黙知化していた各ラインの作業手順を海外人材受け入れのタイミングで全て動画にして、各ラインにQRコードを貼り付けてすぐに作業ができるようにしたそうです。

 これにより、人材育成期間の短縮、日本人でも早期戦力化、仕事内容が理解されやすくなり退職者の減少など多くのメリットがあったとの事です。

 

 私も海外の人達と仕事をした経験がありますが、海外人材採用のメリットは人手不足問題解決だけではありません。上記の例の様に受入側で促進した改善のメリットや海外人材の全く違う視点や日本人が見過ごしてきた問題に気が付くことがイノベーションの起点になることがあります。

 

 皆様の企業、及び、取引先や同業者など周りにいらっしゃる企業様の人手不足問題の解決に役立てて頂き、更に新たなイノベーションにより企業の収益が拡大し、地方や木材産業が元気になればと思います。

 

 

以上、ご関心あれば下記までご連絡下さい。

宮本義昭:メールアドレス:ym00876216@gmail.com

 

(所属企業、団体)

株式会社バルステクノロジー 代表取締役社長

兼 株式会社KOSO アドバイザー

兼 日本木材青壮年団体連合会 広報委員会アドバイザー

兼 株式会社Revitalize アドバイザー

兼 株式会社Dione アドバイザー

東京科学大学(旧東京工業大学)基金特別会員

プラチナ構想ネットワーク 法人会員

先進EP研究会 会員

Asagiラボ 賛助会員

東海バイオコミュニティ 法人会員

林野庁 森ハブ・プラットフォーム会員

東京丸の内イノベーションプラットフォーム林業分科会

蔵前バイオエネルギー 正会員

 

(拙著:代表作)
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