日本木材青壮年団体連合会(以下、日本木青連)の令和7年度広報委員会担当副会長の小友康広(オトモヤスヒロ)です。
今回、私からは令和7年6月19日(木)に一般社団法人JBN・全国工務店協会の国産材委員会との共催で行われた「工務店と木材産業で森の価値を考える共創セミナー」のレポートをお届けいたします。

↑会場は沢山の人で熱気ムンムン
講師には高付加価値の木材生産、低コストな素材生産と育林、生態系に配慮した森林管理や森林認証に積極的に取り組む速水林業の速水亨氏をお招えし、日本の森が持つ価値や機能を考えるセミナーとなっておりました。
沢山の学びがありましたが、その全てや資料は当然日本木青連とJBNの会員の皆様のみのものですので、本当に一部ではありますが「速水様からのクイズ」と「業界の方でなくても学びになることを3つ」だけご紹介します!
クイズ:地球上の最高齢の木について
講演の序盤に速水様から突然のクイズがありましたので、その内容を皆さんにも出題します!(デデン!)
「地球上で最も長生きの木の年齢は何年だと思いますか?」以下3択からお選びください
1. 3000年 2. 4500年 3. 9000年
さて、皆さん分かりますか?
会場の参加者もほぼ1/3ずつに分かれていたようでした。(正解は写真の後で)

↑講演される速水様、話が面白いこと面白いこと
正解は「3. 9000年」でした!改めて、木の偉大さを感じずにはいられません。
そして、ここからは学びになる話を3つご紹介。
①元々原木価格比率が31%だったのが4.1%になっている…
原木とはいわゆる丸太のことです。何かの製品(例えば「家の柱」「楽器」など)の売値に占める原木価格は1980年には31%あったのですが、2025年にはなんと4.1%になってしまっているとのことです…
2005年には1桁%になっている状況であり「それは山が資産である」と思う人が減り、相続などに問題がでる世の中になってしまうな…と思いました。
このような事実や状況をしっかりと消費者側に届け、山主さんや山で働く人達へ少しでも還元を増やしていけるようにせねばならないと改めて実感しました。
②金で買える安全は買え!
シンプルですがまさにその通りだと思いました。
業界内では有名な話ですが「林業の山での作業現場は日本で最も死亡事故発生率が高い職場」となっております。それなのに①にある通り原木は安く取引されてしまう…
その状況を一刻でも早く脱出するために「作業担当者が技術を磨く」というのは当然必要なのですが、それと同等以上に「金で買える安全は買う」という考え方、覚悟がこの業界の経営者に必要であることを伝えていただきました。
③「間伐が環境に優しい」は本当なのか?
これは衝撃の事実なのではないでしょうか!?
日本の林業ではここ数十年「植林し、間伐により成長させるべきものを残して良い木材を育てる」ことが当たり前となっておりますが、常識に一石を投じていただきました。
世界の林業を見てきた速水様曰く「間伐をしない国も沢山ある」とのことです。
他にも「北米では山火事防止のために間伐をしている(成長促進ではない)」「バイオマス生産(燃やして燃料にするための木材)は間伐がない方が効率的」ということを教えていただきました。
数十年前と材の使われ方や自然環境の考え方が変わっており、今までの間伐を捉え直す必要があるタイミングなのかもしれません。
さて、皆様いかがだったでしょうか?このような学びの場が定期的にあるのが日本木青連、そしてJBN様の魅力でもありますね。
そして、講師の方への深い個別質問や会員同士の交流のための懇親会もほぼ毎回開催されており、今回も皆様楽しく知識と親睦を深めていらっしゃいました。

↑参加者がみんな楽しそうな感じが伝わってきます
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