■ 日本木青連「木づかいCO2固定量認証制度」とは
樹木(木材)が二酸化炭素(CO2)を吸収し、炭素(C)を貯蔵(固定)する機能を持つという地球環境貢献効果を正しく普及し、日本国内での建築物等に木材の利用促進をはかるため、木材(国産材・外国産材に問わず)の利用量に応じた 二酸化炭素吸収量 及び 炭素固定量(「木づかいCO2固定量」) を全国区において、認証する制度です。
この制度により、日本国内における木材の積極的な利活用を誘導・促進することで二酸化炭素の吸収・炭素の貯蔵(固定)をはかるとともに、木材需要拡大と国内などの森林整備(森林再生・林業再生)の促進による二酸化炭素 吸収量の増大をはかり、地球温暖化防止に貢献することを目的としております。
■ 日本木青連 木づかいCO2固定量 勝手に認証プロジェクトとは
この制度は日本木青連内に平成23年度(2011年度)に施行され、平成30年度(2018年度)末に停止しました。
その一方で、日本木青連が開発した木材利用におけるCO2吸収量と炭素固定量を計算する仕組みを維持継続していくために令和元年度(2019年度)より「日本木青連 木づかいCO2固定量勝手に認証部会」を立ち上げ、部会の活動として、これまでの認証制度とは別の形で木材利用によるCO2吸収量と炭素固定量を計算し公開していく展開の中で、当会の顧問でもあり部会顧問である東京大学名誉教授の有馬孝礼禮 氏の下、優れた対象物件を「日本木青連 木づかいCO2固定量 勝手に認証プロジェクト」として年度毎に数作品を当会のHPにて公表してまいります。
■ 本制度の対象(建築物と木材)
本制度において、日本国内における建築事業者が建築・改築する木造建築物や木質内装などにおいて、日本木青連として、対象として制限を設けておりません。
「木づかいCO2固定量」の算定対象木材は、無垢材・集成材・合板などの形で利用されるものとしております。また合法木材に限りますが、国産材・外国産材も対象としております。
尚、算定するにあたり、日本木青連は独自の樹種別の容積密度(無垢材・集成材・合板などを含む樹種数は78種、属含む)を用いております。
※容積密度に関しては公表しておりません。
■ CO2の固定量
CO2の固定量はt(トン)で算出されます。 1tがどのくらいの規模なのかを私たちの身の回りにあるもので換算すると、例えば、CO2 1tは「日本人が1年に排出するCO2のおよそ半分くらい」、「家族4人で東京-長崎を往復したときのCO2排出量に相当」、「25mプールひとつ分の体積」となります。これを、今回算出した日向市新庁舎のCO2固定量210tでみてみると「日本人105名の1年間のCO2排出量」、「210家族が東京―長崎を往復したときのCO2排出量」、「25mプール210個分の体積」に相当するものです。
001「日向市新庁舎」
宮崎県日向市本町10番5号
鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、基礎免震構造、地上4階建て
敷地面積 21,986㎡ / 建築面積 3,220㎡ / 延床面積 11,573㎡
用途 市庁舎
設計 内藤・アーク甲斐設計共同企業体
施工 坂下・辰建設工事共同企業体
炭素(C)固定量
57.2497 t-C
二酸化炭素(CO2)固定量
209.9156 t-CO2
002「有明西学園」
東京都江東区有明1-7-13
木構造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 / 地上5階建て
敷地面積 20,184.66㎡ / 建築面積 7,314.61 ㎡ / 延床面積 24,494.39㎡
用途 義務教育学校
施工 竹中工務店
設計 久米・竹中設計共同企業体
炭素(C)固定量
143.9193 t-C
二酸化炭素(CO2)固定量
527.7042 t-CO2
003「みやこ下地島空港ターミナル」
沖縄県宮古島市伊良部字佐和田1727番地
RC造 一部鉄骨及び木造(CLT)/ 地下1階 地上2階
敷地面積 32,586㎡ / 建築面積 ㎡ / 延床面積 12,027㎡
用途 空港ターミナル
施工 (株)國場組・(株)大米建設共同事業体(CLT工事:山佐木材(株))
材積 1,607.03m3(CLT使用量 1530 m3)※樹種 杉
事業主 三菱地所(株)
炭素(C)固定量
252.3037 t-C
二酸化炭素(CO2)固定量
925.1136 t-CO2